後味が悪い。どんな立派な人でも臨終間際とはきっとこういうものだという教訓的映像という事か?誰も周囲にいないで一人で死んでいった訳でもないだろうし死への恐怖と戦いながら、苦痛を我慢して音楽の残りを達成しようとしていたようだ。
先に死んだ盟友の高橋の奥さんのコメントが生々しい。軽井沢に見舞いに行っても一足違いで面会できなかった。本当に会いたい人にはすぐにしないと会えなくなるという事だ。
老化すると行動が遅くなる、決断が遅れるという事。自戒する必要有りだ。
仕事としてのオーケストラ用の作曲楽譜は残念ながら未完成だった。
『人にとって、仕事とは何だろう?』といつも考えさせられる。
資本主義の世界では仕事は金儲けだが、資本主義以外の世界では全く別の理解や解釈が存在する。
自分はどんな世界で仕事をしているのか?そんな事を悠長に考える人間はそもそも資本主義と距離を置いて生きているというのか?
仕事の段落がついたので、土曜日は小田原、藤沢、鎌倉、
日曜日は、鹿ヶ谷、達磨山、戸田、西浦、沼津と桜三昧だった。下の道ばかりを300キロ以上走った。カーブと坂の道が7割という感じだが、車は忠実に動くので距離を感じない。
富士山、桜、海と山。日本美のご馳走の全てが詰まっている。そんな二日だった。
戸田の温泉はアルカリの高温泉で良かった。西伊豆は誰もいない。インバウンドはまだ誰も来ていない。時間と距離の関係だろう。車しか移動手段が無いせいだ。そのせいで豪華な桜と富士を独り占めできる場所。小田原城の10万分の1の観光密度だ。
坂本の最後の日記に1行、こんな記述があった。
(寛解したら)英国車を買おう。
なんだろう?ロールスか、アストンか、ベントレーか?